最近安い費用で結婚式ができる「楽婚」を選ぶ若者が増えているようですが、とうとう結婚式を「タダ」でプロデュースする会社が登場しました。参列者を50人以上集め、一人17,000円をご祝儀として徴収することを条件に、新郎新婦の負担をゼロにするというプランですが、もしかしたら新しいビジネスの切り口になるかもしれません(*^^)v
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実質“自己負担ゼロ”の結婚式!?
最近、テレビコマーシャルなどでも、安い費用で結婚式を挙げられる「楽婚(らくこん)」を盛んに宣伝していますが、“楽”をとおり越し、とうとう「タダ」で結婚式をプロデュースする会社が登場したようです(@_@。
東京杉並の株式会社Leaf-uは、参列者を50人以上集め、一人17,000円をご祝儀として徴収することを条件に、新郎新婦の負担ゼロで挙げられるホテルウェディングのプロデュースに乗り出しました。人数に応じて旅行やビデオ撮影などの特典が新郎新婦に贈られるしくみになっているので、50人以上集めれば、列席者が増えるほどに豪華な挙式が実現するといいます。
同社は、入籍はするが結婚式は挙げない「ナシ婚」が増えていることを危惧し、このプランの販売に乗り出したようですが、東京を中心に千葉・茨城のホテルと提携を広げ、経済的な理由で挙式予定のなかったカップルや、何らかの理由で結婚式を挙げていないご夫婦からの問い合わせが増えているみたいです(*^_^*)
マーケットの「価値観」は変化する
近年はバブル期のようなド派手な挙式は減っているにしろ、やはり結婚式を挙げるとなると、会場使用料、衣装、お料理、ケーキ、指輪などなど、平均でも300万円ほどの予算が必要で、ご祝儀を充てたとしても、だいたい100万円ほどの自己負担が発生する・・・というのが一般的だそうです。
実際問題として、その費用が捻出できないために結婚式をあきらめるカップルもいるでしょうが、じつは「たった一日だけのことにお金をかけるのはもったいない」と考える若者たちが増えている、という事実も見逃せません。その昔は、結婚式が「一生に一度の大イベント」だったからこそ、みなそこにお金をかけることに何の疑問も持たなかったわけですが、今や一度で済まない人も多く(笑)、それはともかくとしても、結婚式よりその後の生活のほうが大事と考え、挙式費用の代わりに高級家具を買うとか、引越費用に充てるとか・・・現実的な考えを持つ人たちが増えているのです。このように、消費者の価値観が変化すると、マーケットそのものが消えてなくなるようなことも起こりうるわけですから、業界として早急に手を打つ必要があるわけです。
消費者の“思考”に合わせた提案を!
では、結婚式に価値を置かない現実派のカップルたちに、どうしたら結婚式を挙げてもらえるか・・・そのためのキーワードが「タダ」なのです。式を挙げないと決めたものの、心の中には結婚式に対する多少の憧れはあるはずですから、“ムード”ではなく“数字”で攻めれば、堅実思考の若者たちにも「それならいいか!」と、納得してもらえるはずです。
さらにこのプランは、参列者する側にとっても、「ご祝儀が17,000円で済むなら逆にありがたい」という、両者にとってメリットのあるプランになっている点でも秀逸です。最近、居酒屋などの宴会プランでは、「幹事さんタダ」という切り口も一般化していますが、宴会場の稼働率が落ちて困っているホテルなどと上手に提携すれば、結婚式のみならず、各種パーティーへの横展開も可能かもしれませんね(^_-)-☆
要は「人が集う理由」を探し、「めんどうくさい手間を一手に引受ける」ことがビジネスになる時代だということです。富裕層ビジネスとは対極にある考え方ですが、お金持ってない人にまでマーケットを広げてしまうわけですから、ある意味強力なプランかもしれません。この事例を参考に、自社にもできることはないか、楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~