広島県のテレビ番組番制作会社TSSプロダクションがつくる日本紹介番組「Japan in Motion」がフランスで人気を呼んでいるようです。そればかりか、番組に登場した日本企業と現地を繋ぐビジネスにまで発展させているのですが、情報発信の視点にセンスさえあれば、日本はもっと外貨で潤う国になるという証明ではないでしょうか!(^^)!
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今、「広島」がフランスの若者のハートを揺さぶる!?
広島県の番組番制作会社TSSプロダクション(テレビ新広島系列)がつくる日本紹介番組「Japan in Motion(JIM)」がフランスで人気を呼んでいるみたいです。フランスでの放送が始まったのは2009年ですが、その視聴者数は、若者層を中心に毎週80万人。関西圏で言うなら、視聴率8~10%の人気番組に匹敵するといいますから、かなりの数字ですよね。今年(2012年)は日本でも「凱旋放送」が決まり、今後はアジア諸国での放送も視野に入れているようです。
番組のプロデューサーいわく、人気の理由は、「矢継ぎ早に繰り出される情報の洪水で視聴者を圧倒させること」だそうですが、「世界遺産からメイド喫茶まで扱う」ことがウリで、情報の振り幅の大きさには相当こだわっているのだとか。
考えてみれば、日本人ほど多彩な異文化を素直に受け入れ、自分たちなりにアレンジしていける民族はいませんよね。ジャパンカルチャーは、外国人にもかなり魅力的なはずなのです。だからこそ、情報量の多さにこだわり、スピード感を持って編集した番組は、ありがちな観光番組とは一線を画したものに仕上がったのだと思います。
低予算でもできる魅力ある番組づくり
ご存じのように、景気の後退とともに広告を出す企業が激減し、地方のテレビ局の多くが苦境に立たされています。テレビ新広島もそのひとつですが、取材の予算が限られているからこそ、「すでにある映像を最大限利用しよう」と考えたそうです。また、気取った番組にせず「突撃レポート」的に、身近なお店やお祭りなどをきめ細かく紹介したこともよかったようで、「フランス人のかゆいところに手が届く番組」と評されているのです(*^_^*)
こうした事例を見ると、「予算がない」は「おもしろいことができない」理由にはならないことがよくわかります。これは、企業の情報発信にも言えることで、予算がないからイケてるサイトがつくれない、などという言い訳はとおりません。お客さんが求めているのは、予算をふんだんに使ったかっこいいサイトなく、そこに掲載されている情報がおもしろすぎて、何度も訪れたくなるようなサイトなのです。
また、編集のセンスがよければ、既存の情報が十二分に生きることも、この番組が証明してくれました。そういう視点で自社を眺めてみると・・・眠っている貴重な素材がたくさんありませんか?
「ビジネスは「発展思考」から生まれる
なんでも、2009年の番組放送以来、広島県のフランス人観光客が顕著に増えたそうですが、プロデューサーはそれだけに満足せず「スポンサーを増やせないか」と考え始めます。
とは言っても、相変わらず経済環境は厳しく、効果の測定できないものに企業はお金を出したがりません。そこで知恵を絞ったのが、番組でスポンサーの商品を紹介し、その後ネットで「いくらなら買うか」といったアンケートを実施する仕組みです。じつは、これが当たったのです。「フランスのテレビでPRできるうえ、視聴者の反応が明確な調査データとして得られる」という評判が広がり、企業や官公庁からの依頼も入り始めるようになりました。するとさらに「オプションサービス」として、番組で紹介した日本企業と現地の橋渡し役をするビジネスへと発展させていったのです(*^^)v
国産高級ジーンズの「桃太郎ジーンズ」を扱う倉敷市の藍布屋は、この「オプションサービス」を利用して、フランスの有名セレクトショップ「コレット」などへの納入に成功し、海外売上を2~3倍に拡大したといいます。こうした成果が出始めた昨年(2011年)、番組とその関連事業は、大幅な黒字になったようです。予算のない地方局で、ここまでの成果を出せたことは賞賛に値するでしょう。この事例をよい刺激に、自社にもできることはないか、思いっきり発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~