2-5-2. LLPの3つの特徴

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

構成員課税

先にも述べたとおり、LLPには直接課税はされません。民法組合の特例という性質をもつためでもありますが、出資者に直接課税される事になるのです。
これをもう少しくわしく説明しましょう。

LLP は法人ではないため、極端にいえば、ずっと黒字が続いてもLLP自体には課税されることはないのです。課税されるのは出資者のみであり、各出資者に直接割 り振られたLLPの利益額を、それぞれの所得に合算して申告することになるのです。これを構成員課税(=パススルー)といいますが、そのおかげでLLPで の儲けに対して課税を受け、利益を分配した時も課税されるという二重課税を避けることができるのです。

また万が一、LLPの事業が赤字になってしまった場合、他の自分の所得から赤字分を差し引いて、税金額を算出する損益通算処理ができることも重要なポイントです。

 

 

有限責任制

有 限責任とは、みんなで出資した金額までしか責任を負わなくていいということです。LLPの場合、立ち上げ時に資本金が必要となります。もし仮に、その LLPが1000万円の出資金でスタートしたとして、数カ月後、残念ながら1500万円の負債を抱えて解散するとします。LLPの出資金を負債の返済に充 ててもあと500万円不足となってしまった時、LLPは有限責任なので、出資者は出資額の1000万円以内での責任しか負わないで済みます。つまり追加で お金を取られることはないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

内部自治原則

まず、運営方針や決め事などを、取締役会や株主総会のような決議なしに、内部の出資者の総意で自由に決められる事がポイントです。たとえば株式会社の場合、 持ち株数にあわせて票数をもつため、出資額によって発言力も決められてしまいます。また、取締役会や株主総会の開催、監査役をおくことが義務付けられてい るため、運営にはある程度のしばりが発生してきます。その点LLPは出資比率にかかわらず出資者同士の話し合いで自由に決められるので、懸案事項に関して スピード決済が可能になるのです。

また、儲けや損失が出た場合の配分も出資比率によらず、内部の話し合いで自由に決められます。これによって、資金力のある企業だけが儲けを得られるのではなく、技術力やノウハウに対しても柔軟に配分でき、共同事業の醍醐味が味わえるのも特徴です。

LLPは、その事業自体に課税されることがなく、また、出資者の責任が限定されていることが大きなメリットといえます。

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