節税対策とは、税法の知識をフル活用して納税額を安くする対策だ。納税意識は大切だが、納めた税金が本当に有意義に使用されているのかと疑問に思うこともあるだろう。
だからといって売上の除外、架空の経費計上や在庫隠しで利益を不正に圧縮する脱税は犯罪にあたり、信用低下など会社自体を危うくしかねない。税務調査によって脱税が判明すると必要なかった重加算税等の支払を課され、その後は何かと目を付けられてしまうといった不利益の原因にもなるのだ。
その為、正しく納税額を算出・納税することが一番の節税になるとも言われている。不正経理と節税は意味が異なると認識しておこう。
経費(損金)の計上法は何とおりかある場合もあり、選択可能な場合には有利な(額が多くなる)方を選べる。会社にとって有利になるよう計算ができるので、上手に利用したい。他に会社の規模にもよるが、税額控除を受けられたり、益金対象とならない項目があるなど、税金の知識を上手く活用すれば経営上有益となる。
法人税などの税率は非常に高いため意識して節税することは、想像以上のキャッシュを生み出すだろう。生み出されたキャッシュは投資で増やすこともできるので、節税意識を持つことは重要だ。
申告月になってから「節税対策」を考えるより、早めの準備をする方がより有利な節税対策に繋がる。決算で出た税引前当期純利益と税額の対象になる所得は違ってくるが、あくまで会計の決算書がもととなるため適正な決算をすることが重要である。例えば本当はすでに手放していたり使っていない備品が固定資産台帳に載っているといったものは、売却損失や除却損失として落とす必要があるといった具合だ。また経費に見逃しがないかは、最低限チェックしておきたい。
事業所規模にもよるが、一定の資産を購入した場合には特別償却できるといった税制もある。来期にキャッシュを残すためにも、検討をしておきたい制度だ。
特別償却などは「所得を減らす」ことになるが、直接「税額を減らす」特別控除を受けられる場合もあるので心に留めておきたい。特別償却は節税できる金額が大きくなるメリットはあるものの、翌期以降の減価償却費が少なくなって税金が増えてしまうため、単なる節税効果の前倒しでしかないが、税額控除による節税効果はもらい得だ。特別償却のように、のちのち税金が増えるというようなことはないため、どちらかの選択ができる場合、長期的には税額控除の方が有利だということを覚えておくと良い。こういった税制には期限が設定されている場合が多いので、毎年改正される税法への関心を持つことは重要だ。経営に多忙中では自身での把握が厳しい場合もあるかもしれないが、そういった場合には、定期的に専門家に相談すると良いだろう。