起業をする際に大切な要素の1つが、「市場選び」だ。どのような市場を選択しても、その市場の中にビジネスの「勝者」と「敗者」は必ず存在している。良い市場を選択したからといって、ビジネスが成功するという保証にはならないのだ。ビジネスの成功要因は、「何を」実施するのかではない。その要因となるのは、「どのように」ビジネスを行うかで決まることを覚えておこう。
ただしどの市場を選択するかによって、その後のビジネスのスケールや成長スピードは大きく左右される。成長マーケットでビジネスを立ち上げると、登りエスカレーターに乗ったのと同様に追い風の中で事業を展開することができるだろう。一方で成熟マーケットや衰退マーケットを選択した場合には、向かい風を受けながら多くの競合企業と争い、事業を進めることになるわけだ。
一般的に成長市場を見極めるためには、まずその業界におけるプロダクトライフサイクルを考察してみる必要がある。
■導入期の市場
競合がほとんどいないその代わりに、消費者の商品・サービス認知度も低い。そのため、事業開始時にかかる広告宣伝費用が高くなる傾向がある。
■成長期市場
参入市場として狙うべき魅力のあるタイミングだが、他社の参入ももっとも多い時期である。そのため、事業展開のスピードが鍵となる。競合が数多く出てきたら、それらの競合と差別化を図るために自社のUSPがどこにあるのかを明確にし、自社ブランドの確立に努めることが重要だ。
■成熟期や衰退期
これから起業する市場としては、あまり適切ではない。しかしそれぞれの市場において、大きな問題点や新たな顧客ニーズを見つけることができた場合には、大きなチャンスとなる。通常はこうした新たなニーズを基準にして次のプロダクトサイクルが形成されることになるので、注意深く市場を観察し、顧客動向を掴むことが大切である。
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